4月13日付 朝日新聞 |
記事中の「川沿いでバケツにひもを付けて水をくむお年寄りの女性を見かけ・・・」のくだりは、深く印象に残っている。
7日の大余震で、前日までは通行可能だったはずの旧北上川に掛かる橋が通行止めになっていた。
3回目の石巻入りとなる小坂代表が様子を見てくるということで、我々は川沿いのある程度広い場所で小坂代表を待つことになった。
その時、目に飛び込んできたのは、いかにも辛そうに川からバケツで水を汲むお年寄りの女性の姿だった。
私が手伝おうと車を飛び出したと同時に前に止まっていた茨城チームの若者たちが、車から飛び出した。
女性は最初「危ないから」とか「申し訳ない」と言って、我々の手伝いを拒否しようとしたが、「私たちは皆さんのお手伝いをしにきたのだから」ということを伝えるとその申し出を受け入れてくれた。
15分くらい水汲みを手伝い、小坂代表のルートが確認できたとの連絡が入り、その場所を立ち去ろうとする時、オバさんが我々の車に向けて合掌をした。カメラを向けようとしたが、その姿があまりに切なく崇高で出来なかった。
今、思い出してもこみあげるものがある。