2013 寒晒しそば |
2013年1月5日撮影
「寒晒しそば」というのは、秋収穫した蕎麦の実(玄ソバ)を、寒中冷水に1週間~10日ほど浸すことによってアクを少なくし、その実を、今度は高原の寒気と紫外線に晒すことで、乾燥させつつ甘味も増やすというものであります。
学術的には、ギャバとかルチンの含有量がどうしたこうしたという話になるのですが、興味のある人はご自分でお調べください。
とにかく、冷水・寒気に晒すことによって蕎麦が美味しくなることは間違いありません。自分の舌で体験済みであります。
で、今回の寒晒し蕎麦は4年目を迎えます。その今年度最初の仕込みが二十四節気のひとつである「小寒」の日・1月5日に行われました。
玄ソバを網目の袋に入れ、氷室の隣接地である使用されなくなった氷池に設置された幾何楽堂特製の晒しBOX(今思いついた造語でありますがw)に一袋ずつ沈めます。
この晒しBOXは良く出来ておりまして、玄ソバの上層・下層を水温0~1度の流水が、玄ソバを刺激しながら通過する仕様になっているのです。
そして、1月15日、冷水に晒した玄ソバを水から引き上げ、今度は標高900mに近い高原に上げ、寒気に晒します。
上の画像と似ていますが、これは引き上げの様子であります。前日降った雪が回りにありますね。
再び、寒風と紫外線という過酷な試練を経て、含水率16%まで鍛え上げられた「日光寒晒しそば」は、従来の蕎麦にも増して、素晴らしい風味と甘味を持つ一件に成長するのであります。