こも巻き 2009 |
画像は2009年10月15日撮影
晩秋の風物詩であります。
しかし、この「こも」を作る道具は何と呼ばれるのだろう?聞き漏らしてしまった。近日中に上の画像の造園業者の方に教えてもらおう。
この時期、アカマツに「こも」を巻くと、マツカレハの幼虫のマツケムシ(マツクイムシではない)が越冬のために、この「こも」の中に潜り込むらしい。それを春になって焼却することで、防虫効果があるらしい。
ところが、春(啓蟄の頃)、この「こも」の中味を見てみると、マツケムシより蜘蛛がたくさん入っているらしい。造園業者の話では、マツケムシを食べに蜘蛛が入り込んだ結果だということだが、こういう記事もネットで見つけた。
冬の間、マツの害虫駆除のために行われる「こも巻き」は、クモなどの益虫を大量に捕獲する一方、枯死の原因となる害虫にほとんど効果がないことが、兵庫県立大の新穂(にいほ)千賀子准教授(昆虫生態学)らの調査でわかった。
姫路城(兵庫県姫路市)で4年間に捕まったのは益虫55%に対し、害虫はわずか4%。逆効果にもなりかねず、今後の対策のあり方に一石を投じそうだ。
マツのこも巻きは、初冬にわらで編んだこもを幹に巻き付け、春先に外して焼く。暖かいこもに集まるマツカレハの幼虫などを一網打尽にできるとされる。
新穂准教授らは、姫路城で、外した直後のこも約350枚に、どのような虫がいるか2002年から05年まで調査した。
マツカレハ幼虫は02~04年は0~6匹、最多の05年でも44匹にとどまった。マツ枯れの最大の原因になるマツノザイセンチュウを媒介するカミキリはゼロだった。逆に、害虫を捕食するクモ類は毎年337~625匹、カメムシの一種のヤニサシガメも90~486匹確認された。
マツカレハ幼虫は、樹皮の裏側に多いという報告もあり、こもを外した幹の割れ目で見つかり、夏には多数のさなぎも見つかった。センチュウも幹の中に潜み、こも巻きでは退治できない。
マツのこも巻きは、江戸時代から大名庭園で行われていたと言われている。姫路城では1960年代から恒例行事になっている。しかし、効果が薄いという意見は以前からあり、マツの名所では、三保の松原(静岡市)や岡山後楽園(岡山市)で実施しているが、皇居外苑や京都御苑は20年以上前にやめた。浜松市は今季中止し、神奈川県平塚市も廃止を検討している。
新穂准教授は「こもは益虫に越冬場所を提供する面もあるので、続けるなら、益虫を逃がした後に焼く方法などを考えたほうがいい」と話す。
姫路城管理事務所は「確かにクモが目立ったが、益虫という認識はなく、ずっと焼却してきた。方法を検討したい」としている。
造園業者の方の話と蜘蛛が多いという点は矛盾はしてないが、「こも巻き」に否定的に読める。
しかしですよ、この風物詩が無くなってしまうのは、実に惜しいと思いませんか。
「益虫を逃がした後に焼く方法」を採ってもらって、末永く存続を図ってもらいたいものだ。