氷室 |
「氷室(ひむろ)」というのは、冬、池を凍らせて作り上げた氷を適当な大きさに切り揃え、オガクズを被せて貯蔵したところ。
夏になると、昔は冷蔵庫(電気冷蔵庫ではありませんぞ)の冷蔵源として使われていたし、かき氷や水割りの氷はこの「氷室」から出たものなのであった。
だから、町には必ず「氷屋」さんがあったし、氷を扱う商店も数多くあった。
しかし、昭和38年に冷凍庫付きの冷蔵庫が売り出されるに及んで、だんだんと氷屋さんは姿を消して行ったし、氷室も今では風前の灯火になってしまった。
全国でも、秩父の阿左美冷蔵と日光の吉新氷室、今市の松月氷室、三ッ星氷室、軽井沢の渡辺商会の5ヶ所だけで、この氷室での天然氷の製造を行っているようだ。
画像の氷室は、山久保地区にあったものだが、今はもう無い。
日光では、志渡淵川のほとりで、最後の氷室(吉新氷室)が頑張っている。
そして、夏、私もこの氷室で製造されたカチワリで泡盛を呑む。